「生はダメ!」昔日本人はそう言っていた。

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友人と学生時代の勉強の話で日本史でどの時代が好き?と聞かれると僕は決まって狩猟採集の時代。と答えていた。その答えは戦国時代や武将の話を期待していた友人をがっかりさせたものだ。人間同士のマウントのとりあいなんて興味ない。人間が自らの力で生きている姿を想像するとそれだけで興奮した。ただひとつ疑問に思っていることがあった。狩猟採集の採集である。何が気になっていたかというと、僕のイメージでは、草や木の根っこをとって来ては、バリバリ食べていたイメージだった。ところがそう仮定するとその後、それらに塩(岩塩や海から取ったもの)をかけたもの、いわゆるサラダをたべる習慣が日本に起こってもいいものだが、日本人はながらく火を通したものしか食べていない。明治以降、トンカツのキャベツに始まり、戦後のマヨネーズではじめて世の中に普及したと聞く。日本以外の国では塩をふったサラダが大昔から存在していたのに。ちなみに、サラダ(Salad)の言葉の起源は、Sal(塩)なのだが。古代ギリシャ、ローマ時代に、herba salataとして存在している。その後、大航海時代南アメリカからトマト、ピーマン、じゃがいもなどが入り、サラダの形体はずいぶん変わるのだが。
日本人は昔は食で生(なま)を嫌っていた。いやそんな分けはない。西洋人がやらない魚を生で食べるということをやってきた。お刺身はすでに鎌倉時代あたりから始まっている。日本人の何が生でOKで何が生でダメか、西洋人とは異なるこれらの感覚を産み出してきた要因はなんなのか。答えはそれほど単純では無いようだ。まあ今はだいたいどこの人も同じになっていると思うが。
¥198で買ってきた野菜にドレッシングをかけながら、ふとくだらない思考に陥ってしまった。
「あ、焼き鳥も買ったんだ。忘れずに食べないと。」

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  • 発売日: 2016/03/15
  • メディア: 食品&飲料